Surfski Guide

 

沖合いのうねりを捉えて漕ぎ進むサーフスキーパドラー。
サーフスキーの真価が最も発揮されるシーンです。  
 
オーストラリア発祥と言われるサーフスキーはライフセービングに  
取り入れられ、短距離用の競技艇として発展。  
 
その後、ライフセービングとは別にオーシャン・レーシングという  
長距離レースが生まれ、南アフリカ、オーストラリアで盛んになりました。  
ここ数年、ヨーロッパ各地でブレイクし、急速にその勢いを増しています。


¶サーフスキーにハマっちゃう3つの理由

シンプル!軽い!安全!

シンプル!
艇、パドル、PFD、そして、リシュコード。
最低限これだけあれば安全に漕ぎ出せます。
艇の上に座るシットオンタイプなので浸水の心配ゼロ。
浸水対策の装備をいくつも持って行く必要がありません。
※PFD 一般的にライフジャケットと呼ばれているもの。Personal Floating Deviceの略
※リシュコード 艇と体を結ぶコード
(注)沖に出る場合、ソロの場合など、状況に応じて追加装備が必要です(携帯電話等)。
軽い!
競技艇として育ってきたサーフスキーの重さは18kg以下が一般的。
最も軽いもので8kg。どんなに重くとも22kg以上のものはまずありません。
車への積み降ろしがとっても楽!艇が軽いと気分も軽い。
デイ・パドルがほとんどの日本にはぴったりだと思いませんか?
安全!
落ちたら乗ればいい!
船全体が浮力体のサーフスキーは、カヤックのように浸水を
気にしなくてよいので、ただ、よじ登ればOK。
サーフスキーは暖かい地方の乗り物と思われがちですが、
素早くリマウント(再乗艇)出来るので、実は寒い地方にこそお勧めです。

競技艇として進化したサーフスキーですが、楽しみ方に決まりはありません。
休日の一日をのんびりツーリングしてもいいですし、週何日かフィットネスパドリングを
楽しんでもいい。

自然に敬意を払いつつ、シンプルに海へ繰り出しましょう。


 

¶サーフスキー競技

ライフセービングのサーフスキー種目とオーシャンレーシングの二つに大別されます。
日本ではまだサーフスキー専門のレースが少ないためシーカヤックマラソンや、
川や湖などの静水で行われるカヌー大会などに参加することが多い状況です。

ライフセービングのサーフスキー競技は、岸からスタートして、
沖合いに浮かんでいるブイを回り、岸まで帰ってくる700mの
短距離競技。Spec Skiを使用。参加資格の制限有り。

オーシャンレーシングは一般的には24km程度のダウンウィンドコースで
競う長距離競技。主にLD Skiが使用されます。
※ダウンウィンド⇒追い風&追い波の状況(=サーフィン出来る!)

右写真は香港で行われているオーシャンレーシングイベントDragon Runのコース。
北東からの風に乗って南シナ海でのダウンウィンドレースが楽しめます。


 

¶サーフスキーのタイプ

主にSpec Skiと、LD Skiの二種類。  
写真左がSpec Skiで右がLD Ski。※LD=Long Distance  
 
Spec Skiはその名の通り、ライフセービング仕様として  
厳密に規格が適用されています。  
長さ19フィート、幅19インチ、重さは18kg。  
この規格に適合しない艇はライフセービング競技で使用できません。  
 
一方のLD Skiは完全に自由。艇の仕様に制約はありません。  
艇長は640cm程度が一般的。カーボン素材で軽量化を狙うことも  
多く、非常に長いサイズでありながら10kgを切る製品も存在します。  
 
 
 
普段の会話ではLD Skiをレーシングスキーと呼ぶことがほとんどですが、  
Spec Skiをレーシングスキーと呼んで販売している海外メーカーもあり、  
厳密な定義はありません。

以下、Spec SkiとLDスキーの違いを見ていきましょう。  

 

¶Spec Skiの特徴

まず目につくのはバウ・フォイルと呼ばれる艇先端の大きなエラ。  
ビーチブレイクの傾斜がきつい波でも水中に潜らないよう、ほとんどの  
Spec Skiに装備されています。  
これがあることによって、横滑りしにくくなるという意見もあるようです。  
 
ただ、一旦水中に潜ってしまうとバウフォイル上部が水に押されて  
縦方向に回転しやすくなる点は問題。  
サーフィン時にバウフォイルが水面に当たってブレーキになるデメリットも。  
 
水没をバウフォイルで防ぐのではなく、バウ自体にボリュームを持たせる  
ことで、一度は潜ってもすぐ浮上してくるよう設計された艇も増えています。  
 
 
シートはお尻の部分だけ穴をくり抜いたようなデザイン。  
足を置く場所は左右分割式になっており、荒れた時にはくるぶしで  
中央部分の仕切りをおさえて艇との一体感を得ることができます。  
 
比較的乗りやすい安定した艇が多いのも特徴。

 

¶LD Skiの特徴

バウ・フォイルが無く、つま先からお尻までが同じコックピット  
スペースに収まるタイプ(Single Footwell)が主流。  
 
水の浸入を少なくするためサイドウォールが高くなっており、  
侵入してしまった水は足元にある排水ドレンから抜けるようになっています。  
 
コックピット中央にある盛り上がりはハンプ(Hump=こぶ)と呼ばれ、  
不必要に大量の海水が入ることを防止。  
 
Spec Skiと異なりサイズ等の制約がないため独創的な艇が多くリリースされています。  
長距離を漕ぐため、リアデッキにはバンジーコードを装備できる艇もあり、  
防水バッグを装備すればツーリングにも使える汎用性があります。