リシュコードの正しい使い方


サーフスキーは非常に安全な乗り物ですが、
安全であるがゆえの油断も起きやすいもの。

把握しているだけでも、ここ数年で片手ほどの
サーフスキー遭難事件が発生していますが、
その全てがリシュコードを装着していなかった
ことに起因しています。



サーフィンをやる方にはお馴染みのリシュコードですが、
サーフスキーの場合、その使い方は全く異なります。

リシュコードを使わなければいけない時と、
使ってはいけない時があるのです。

さて、問題。
下の写真ではどちらが使わなければいけない場面で、
どちらが使ってはいけない場面でしょうか?
※左は岸近くのサーフゾーン。右は沖合い。



正解は…

左⇒使ってはいけない
右⇒使わなければいけない

です。

サーフスキーでリシュコードを使用する目的は、船から落ちた時に
艇と離れて遭難することを防ぐこと。
それ以上の機能はありません。

沖合いでサーフスキーが風に流されてしまえば即遭難。
波やうねりに持っていかれることもあります。
それを防ぐのがリシュコード。

ただし、波が大きく崩れてくる状況では使えません。

最も多い誤解は、
「サーフスキーが流出して、他の人に衝突するのを防ぐ」
というもの。

これはボードサーフィンの発想をそのまま持ち込んだ
誤解と思われますが、そういう使い方をしては絶対にいけません。

理由は以下の通りです。

・10〜18kg程度もあり、波のパワーを受ける面積が大きいサーフスキーと繋がれたまま
 サーフゾーンで巻かれた場合、足に重大な損傷を受ける恐れがある。

・強力な波に巻かれた状況を想定して作られていない。強度不足。

・逆に、絶対切れないワイヤー製のリシュを使ったとしたら…、
 足がグチャグチャになる可能性大…。


では、サーフスキー以外のスポーツを楽しんでいる人たちの安全をどう確保するか?

「巻かれた時にサーフスキーが飛んでいかない位置で楽しむ」

以外にありません。

一部のライフセービング協会支部がサーフゾーンでのリシュ着用を指示していますが、
サーフゾーンでは絶対にリシュコードを着用してはいけません!
前述のようにリシュコードにはサーフゾーンでサーフスキーを支えるだけの強度がありません。
そして、支えるだけの強度があったとしたら、逆に足をやられます。

強力な波に巻かれた場合、リシュでは他の人を守ることはできず、
自分の足はかなりの確立で損傷するのです。
着用するメリットがありますか?

スポーツの種類を問わずリシュ着用が義務付けられている浜がある場合には、
サーフスキーの特性を理解してもらい優先エリアを設定してもらうか、
理解が得られないのであれば他の方法を検討する他ないのです。

では、それらを踏まえて具体的な使用例をご紹介しましょう。


左はスキー専用リシュコード。右はボディーボード用を流用しています。

風に流されることを防止する意味ではボディーボード用で十分。
スキー専用と同じコイル状なので、漕いでいる時も邪魔にならず快適です。

欠点としては、足首に装着するためスキーに強い力がかかった場合の
リスクが大きいこと。荒れた海に出る場合は専用リシュが無難。

専用リシュは膝下の太い部分に装着するため、多少強い力がかかっても安心。
船側はカラビナで装着するタイプが多いようです。

一般的なサーフィン用のリシュは長すぎてサーフスキーには適しません。
水中に引きずって漕ぐことになりがちですし、無理に折りたたんで縛るのも
プラスチック製だけに損傷が心配。

足に装着する以外に、パドルと艇を結ぶ方法もあります。
この方法は、船から落ちた時にパドルさえ離さなければ艇を確保でき、
船と一緒にいることが危険ならば即座に離れられるという大きな利点があります。

欠点としては、漕いでいる時に目の前でパタパタしてうっとおしいこと。
いつでも離れられるという点でサーフゾーンでも使えそうな気がしますが、
コードと繋がったパドルは突然勢い良く飛んでくることがあるので危険。
やはりサーフゾーンでは使えないと思ったほうがよいでしょう。

¶リシュコードのチェックポイント
・ひび割れを毎回確認⇒プラスチック製なので割れは一気に拡がり簡単に切れる。
・船側接続ポイントの強度確認⇒華奢なバンジーコードに接続しない。
・力がかかっても足を締め付ける構造でないこと!⇒専用品以外を流用する場合に重要。
・紫外線を避け、袋に入れて保管⇒リシュは紫外線で簡単に劣化。他の物とガチャガチャ当たると傷がつき切れやすくなる。

そして、最後に。
「どんなに注意しても、リシュが切れることはある」
絶対はありません。
グループで行動するとか、二重にするとか、各自で工夫しましょう。

おまけ

熱心に漕いでいた冬のある朝に見つけたオブジェ。
熱心に漕いでいたのは確かだが、道具の扱いは…。

2010/07/20